”IPS”とは、就労率や就労期間への効果が実証されている就労支援モデルです

科学的根拠にもとづいた就労支援

IPS (Individual Placement and Support/アイ・ピー・エス) とは、1990 年代にアメリカで開発された 「早く現場に出て、仕事に慣れるモデル(place‒train model)」に基づいた就労支援のこと。

日本では「個別就労支援プログラム」と訳され、精神障害者の就労をサポートするモデルのなかで唯一、科学的根拠に基づいた方法と言われています。

IPSモデルによる就労支援には、以下のような特長があります。
1)就労を希望する方は誰にでも個別支援を行う
2)訓練を経ずに早期に就職活動を始める
3)当事者の好みや長所を最大限に尊重し、それにマッチングする職場を探す
4)就職後は本人だけでなく雇用主もサポートし、継続的な定着支援を行う など

IPSモデルによる就労支援と他の就労支援の比較研究が国内外で実施されており、高い就労率や長い就労期間など、IPS型の支援を受けることは、より良い結果につながるという結果が出ています。

日本ではまだ制度化されておらず、実施機関や地域が限られていますが、誰もがIPS型の支援を受けられるよう、普及が望まれています。

ルンアルンのIPSプログラム

ルンアルンでは、「自分に合った仕事をすることが、誇りや自信、自分らしい生活を取り戻すことにつながる」「仕事に就いてしまうことが一番の職業訓練である」という IPSの視点に基づき、「働きたいと思ったときには、就労の準備ができている」と考えます。

一般的には「就職する前には施設でトレーニングをするべき」という考え方が主流ですが、私たちは、一人ひとりのご希望や長所を尊重しながら素早く職探しを始め、少しでも早く就労を開始していただくことを目指しています。

IPSの実務経験を積んだ専門家は、日本ではまだ数少ないのが現状ですが、ルンアルンには、長年にわたりIPSによる就労支援に取り組んできた精神保健福祉士、作業療法士、看護師など、経験豊かなスタッフが揃っています。

日々、IPSの実践と研究を重ねているスタッフたちが、利用者さんとともに就労計画を立案。就職された後も、継続してオーダーメイドの支援をきめ細かく行っていくことで、仕事のある人生の再構築をサポートしています。

ルンアルンは JIPSA(日本IPSアソシエーション :ジプサ)の正会員で、「フィデリティ(忠実度)評価尺度」に基づいてサービスの評価を毎年受け、改善に努めています。 当団体理事の 池田真砂子 は、JIPSA(日本IPSアソシエーション)共同代表です。